ボローニャの午後の散策
イタリアの北東に位置するエミリア・ロマーニャ州、ボローニャ。中世にまでさかのぼるその歴史と世界最古の大学の街として人々を魅了します。ビジネス、観光を問わず、この町を訪れたら、是非、数ある名所から二、三箇所だけでも見てください。町の中心は、コンパクトにまとまっており午後の時間に、最も興味をそそる名所をカンタンに最低でも3つは見ることができます。まずは、マッジョオーレ広場(Piazza Maggiore)のツーリスト・インフォ・センターで無料マップを手に入れましょう。そこから、あなたのツアーが始まります。 聖ペトロニオ大聖堂:町の中心部であるマッジョオーレ広場から歩いていける距離にあります。ヨーロッパでも6番目の規模とされる壮大なゴシック建築の手本ともいえるこの建造物。町の守護聖人の名を冠するこの大聖堂には興味深い歴史があります。実は、建設の途中でオリジナルのデザインが変更になり、ラテン・十字形が提案されました。これにはローマはバチカンの聖ピエトロ寺院の威風を凌駕しようとする目的があったのです。しかし、この変更は実現しませんでした。一説には当時の法王ピウス4世がバチカンの大聖堂である聖ピエトロのその威光がかすんでしまうことを嫌い、即座に変更案を却下したためとも伝えられています。とはいうものの、奥行き132メートル、幅66メートルの規模の聖ペトロニオはやはり壮大です。ただ、残念で成らないのは、赤大理石のファサード(建物の正面)が未完のままであることです。22ある大聖堂内の教会、鐘楼も訪れてください。2台の歴史あるオルガン、左側舗装通路にある世界最大の日時計もお忘れなく。 アッシネリの斜塔:大聖堂の後に行く町のシンボルである二つの斜塔は、歩いてすぐのポルタ・ラベニャーナ広場にあります。何世紀も前には百を超える同じような防衛用の塔がありました。高さはまちまちで、荘厳な塔はボローニャの空との境界線を形取っていました。悲しいことに、今では20足らずの塔だけが現存しているだけになってしまいました。町のシンボルである二つの塔の一つ、アッシネリの斜塔は一番高く、揺らめきながらもその高さは97.2メートルにも及び、空にそびえ立っています。しかし今では、年を重ね老人のように傾いています。斜塔は公開されていて、中にある500段もの使い込まれた木製の階段を登り切るとボローニャでも最高の絶景を見ることができます。大変な数の会談ですが、自分のペースで休み休み上れば、難しいことではありません。もうひとつの斜塔で小さい方のガリセンダは元々60メートルありましたが、14世紀になり塔の基礎が不安定になり、低くされました。今では48メートルの高さで、傾きもひどくなっています。そのため、公開はされていません。では、次にボローニャ大学にご案内しますが、そこではブキミなアトラクションがあります。 最古の大学、ボローニャ大学の解剖室 この部屋は、その円形劇場ににた形から「解剖劇場」(Anatomy Theatre)として知られ、1600年代に作られたとされています。ほとんどが木製(マツ科トウヒからとれた木材)で学生のための解剖の講義で使用されました。今でも講義室の中央に往時を偲ばせる解剖が行われた大理石のテーブルを見ることができます。そして、教室の壁に沿って置かれているのは、ヒポクラテスをはじめとする古代の有名な医学者たちの木製の彫像です。実は、残念なことにこの教室は第二次世界大戦中、1944年の空襲によってほとんど全壊に違い状態となりました。今ある教室は、残された写真をもとに、できるだけ瓦礫のから見つかったオリジナルの残がいを使用して復元されたものです。ここは人々の興味をひきつけてやまない名所で、たとえ医学史に興味がない方でも一見の価値ありです。